1.閾値を変えることによって各被験者が認証成功したかまた失敗したかを求める。
1.U2に適当な閾値を入力する(今回は100から1000まで100毎に入力した) 。
2.次にP2からT2に以下のように関数を入力した。
P2には=IF(J2<$U$2,1,0)
Q2には=IF(K2<$U$2,1,0)
R2には=IF(L2<$U$2,1,0)
S2には=IF(M2<$U$2,1,0)
T2には=IF(N2<$U$2,1,0)
入力し終えたらP2:T2をP101:T101まで複写。
2.FRRを求める。
FRRは全被験者が認証できなかった回数÷試行回数(この場合100)で求めることができる。
W1:X8に表1のように入力した。
表1.FRRを計算する表
W
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X
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1
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被験者
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本人なのに認証を失敗した回数
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2
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○山
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=COUNTIF(P2:P21,0)
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3
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○口
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=COUNTIF(Q22:Q41,0)
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4
|
○田
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=COUNTIF(R42:R61,0)
|
5
|
○松
|
=COUNTIF(S62,S81,0)
|
6
|
○
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=COUNTIF(T82,T101,0)
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7
|
合計
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=SUM(X2:X6)
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8
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FRR
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=X7/100
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3. FARを求める。
FARは間違って他人だと認証した回数÷全認証回数(セルP2:T101の1の総数)で求めることができる。
Z1:AA8に表2のように入力した。
表2.FARを計算する表
Z
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AA
|
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1
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被験者
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誤って本人だと認証した回数
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2
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○山
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=SUM(P2:P101)-SUM(P2:P21)
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3
|
○口
|
=SUM(Q2:Q101)-SUM(Q22:Q41)
|
4
|
○田
|
=SUM(R2:R101)-SUM(R42:R61)
|
5
|
○松
|
=SUM(S2:S101)-SUM(S62:S81)
|
6
|
○
|
=SUM(T2:T101)-SUM(T82:T101)
|
7
|
合計
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=SUM(AA2:AA6)
|
8
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FAR
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=AA7/SUM(P2:T101)
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4.認証制度の可視化 求めたFRR・FARをエクセルの新しいシートに入力すると表3のようになった。 表3.認証精度の閾値依存性
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このシートを用いてFRRとFARの関係を散布図にしたものを図1に、FRRおよびFARの閾値依存性をプロットしたものを図2に示す。表3および図2から認証精度がもっともよいのは閾値が300の時で、FRR=0.01、FAR=0であった。 |
図1.FRRとFARの関係 図2.FRRおよびFARの閾値依存性(横軸:閾値、縦軸:FRR/FAR) 今回は計測データを手作業でExcelシートに転記して認証精度を計算したが、次回は計測データの収集と格納の自動化を行って本手法の実用化に向けて改良を行う。 |
【コメント】
これまで、文献「覗き見攻撃耐性を考慮したスマートフォンにおけるリズム認証手法-楽曲の主旋律を用いた際の認証制度評価」にならってリズム認証スマホアプリを作成してきた。文献では認証判定に自己組織化マップを使って99.2%の精度を実現した。これに対して、我々はユークリッド距離による類似度を用いて99%以上の精度を実現した。しかもこの時点では音楽を流していない。ユークリッド距離による類似度判定は学習も判定も自己組織化マップを使うことにに比べてはるかに容易であることを考えれば今回の結果は極めて良好な結果であると考える。
今後は、各自のリズム特性を簡単に収集・格納する仕組みを確立して本格的な認証アプリの実現に取り組む。
また、認証成功時にそのときの計測データを学習データに加えることによりオンライン学習機能を追加して、利用すれば利用するほど精度が高くなるインテリジェントな認証システムにしていきたい。
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