論文概要
患者からの不満が多い待ち時間対策のために待ち時間予測システムのプロトタイプを開発したというレポート。その方法は、医事会計システムや電子カルテシステムから受付・会計・診察・検査時刻をリアルタイムで取り込み、これらのデータと夜間バッチ処理で電子カルテシステムから取り込んだ予約データを合わせて最新の予測データを作成するというもの。研究成果としては、①待ち時間状況の把握、②待ち時間実績データの分析、③予測時間の精度(の分析)の3つを挙げている。①については、これまで人海戦術で行っていた待ち時間調査が不要となり、科別・医師別など様々な待ち時間集計が可能になったと述べ、③については予約ありに比べてなしの場合の予測精度が悪かったと報告している。所感
病院情報システムから取り込んだデータを有効に活用することにより、待ち時間の予測が可能になることがわかった。しかし、そのアルゴリズムは複雑で、プログラムを作成するのは難しいだろうと思った。また、単にシステムを開発しておしまいでというのではなく、開発したシステムの評価や、開発したシステムから得られるデータの分析を行って新しい知見を得ることの重要さを知った。
参考文献
- 江角宣行, 浅原晴海:IT技術を用いた待ち時間予測システムの開発. エネルギア総研レビュー, 11, 2008.
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